2009年10月14日
NPO講座「組織運営と課題解決」レポート②
東部パレットのNPO講座第2回 「組織運営と課題解決」
坂本文武講師のお話の後半を抜粋してレポートします。
前回は
NPO法人の理事の役割は、判断を下すこと、そして
場合によってはリスクを負うということであり、
しかもほとんどの理事が無給であることを考えると、
いかに活動への共感を得るかが重要というお話でした。
今回も「共感のマネジメント」のお話です。
事務局スタッフ=価値への共感者・協力者
モティべーションを高める
誉める=人材管理の最大のポイント
組織の理念を語るとは?
NPOの戦略 競合のないドメインを狙う
課題:会議などにいつも同じメンバーしかこない。
コミュニケーションの伝え方
坂本氏の共感のマネジメントのお話は実践的で非常に参考になりました。
個々のNPOがこのような講座を計画するのはなかなか難しいのではないでしょうか。
どうぞ、東部パレットのNPO講座を活用して下さい。
次回NPO講座は、11月14日(土)
講師は、
福島達也氏(国際ボランティア事業団理事長)です。
詳しい内容が決まりましたら、お伝えいたします。
どうぞ、ご期待下さい。
坂本文武講師のお話の後半を抜粋してレポートします。
前回は
NPO法人の理事の役割は、判断を下すこと、そして
場合によってはリスクを負うということであり、
しかもほとんどの理事が無給であることを考えると、
いかに活動への共感を得るかが重要というお話でした。
今回も「共感のマネジメント」のお話です。
事務局スタッフ=価値への共感者・協力者
NPOで働く人についてですが、
有給職員には正規職員と非正規職員がいます。
同じように、ボランティアの中にも有償と無償の人があります。
共通して言えることは、市場原理に基づいて協力してくれている人たちではないということ。
市場価格からすると相当割り引かれた金額で働いている。
これは決していい状態ではないが、
お金ではない価値に共感してくれている人々。
企業ならお金払って居るんだから仕事しろよ。
しかしNPOの場合は、お金で働いている訳ではない。
モティべーションを高める
そこで、モティべーションを高めてあげる必要が出てくる。
動機付けがとても大切。採用するまでに動機がピークに達している状態になっていないと困る。
そうでないと就職一ヶ月以内に辞めていくということになる。
どんな状況でもとにかく受益者、困難に直面している人のために、
誠心誠意最高のサービスをするのがNPOの職員。
一回動機付けがなされると最高の支援者になる。
NPOの場合は燃え尽きる可能性がある(hot group)
ので、そこをケアする必要がある。モティべーションが下がってきたら、事務局長や理事の「愛の一声運動」が必要。
たとえば、
「少し休んだら?」「気分転換してみたら?」など役割を交換する必要がある。
誉める=人材管理の最大のポイント
やったことを誉めるほめて上げることがとても大事。企業でも人材管理の最大のポイントはほめること。真剣に人事は考えている。お互いに共感していく、一体感を得ていく、それでやる気が出てくる。
組織の理念を語るとは?
動機づけ・意味づけで大事なのは、組織の理念を互いに確認し合うこと。
なぜ、この組織にいるのかを毎回確認する。
しかし「理念を語る」「何のために活動しているのか」とは、「とりあえずここまでやろう」ではなく、もっと大きなものを語ること。
現状の課題を解決することだけではなく、未来に通じることを語る。
たとえば環境活動で、「川のゴミをなくそう!」という活動をするとき、
一時的にゴミをなくすことが目的ではなく、ゴミ0を通して環境意識を高める、ゴミをなくすことで昆虫が住める環境を作るなど、未来への理念を持つことが大事。
NPOの戦略 競合のないドメインを狙う
ドメイン=自分の戦う土俵のことコミュニケーションの伝導率
たとえば、軽食屋、おにぎり屋、弁当屋をしようとすると、すべて競合相手がいる。
土俵をどこに置くかによってその組織の作戦が違ってくる。
逆に言うと、
人が真似のできない、自分たちの提供できる価値とは何か?
他には提供できない、自分たちにしか提供出来ない価値は何かを考える。
最強の戦略とは、競合がまったくいないドメインにして、「戦わずして勝つこと」。
志の伝導率、つまりコミュニケーションの伝導率は、
たとえば、自分の思いを相手に十分伝えられたと思っても、
相手がそれを受け取るのは7割、3人先は0%と言われている。
そうだとすれば、志を伝えることができるためには、理念が明確になっている、研ぎ澄まされていることが非常に重要。
課題:会議などにいつも同じメンバーしかこない。
皆が走りまわっている状況は長持ちしない。
同じメンバーしか来ないとすると、
価値が言葉になっていない可能性がある。
集まっている人々が頑張りすぎているかもしれない。、
「この部分だけは誰かに頼ろう」ということも大事。
そうすると、「そんなことならやるよ」と言ってもらえるかもしれない。
外部の人に自分たちの集まりを見てもらうことも大事。
組織として協力者を継続的に増やして行くには、ぶれない軸が必要。
それは事務局長かもしれないし、理事長かもしれない。
誰かが真ん中にどーんと座っていないと組織としては回っていかない。
コミュニケーションの伝え方
(会場の後ろに伊豆のシカ食害にすいての写真が貼ってあったのを見て)
たとえば、子育て中の母親に、伊豆の森林がシカ食害にあっていて大変だということを言っても
自分の問題として扱ってはもらえない。
相手が頭の中に子育てがあるのであれば、カブト虫の話などから伝える。
森林が破壊されるとカブトムシがいなくなりますよ、といった進め方。
そうでないと、「シカなんて関係ない」となる。
そこの方向性を変えてあげないと興味をもってもらえる訳がない。
「それはあなたの問題でしょ。私関係ないわ」、という断絶が起こる。
NPOの活動のためには寄付を募り、会費を集める必要がある。
その時、相手のことをよく知って、相手のことをよく慮る。
相手が違えば言い方も違うはず。
このように視点だけ変えるとものすごい力になる。
坂本氏の共感のマネジメントのお話は実践的で非常に参考になりました。
個々のNPOがこのような講座を計画するのはなかなか難しいのではないでしょうか。
どうぞ、東部パレットのNPO講座を活用して下さい。
次回NPO講座は、11月14日(土)
講師は、
福島達也氏(国際ボランティア事業団理事長)です。
詳しい内容が決まりましたら、お伝えいたします。
どうぞ、ご期待下さい。
Posted by 東部パレットスタッフ at 08:30│Comments(0)
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